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一人親方とはどんな制度?個人事業主との違いやメリットとデメリットについてわかりやすく解説

一人親方とはどんな制度?個人事業主との違いやメリットとデメリットについてわかりやすく解説

一人親方として独立したい人からは、「そもそも一人親方の制度がよく分からない」「一人親方になって仕事を受注できるか不安」といった声も多く寄せられます。

一人親方と個人事業主の違いがよく分からず、必要な手続きができずにいるケースもあるため、両者の違いも知っておかなければいけません。

本記事では一人親方の定義や個人事業主との違いを紹介。

一人親方になるメリットからデメリットまでわかりやすく解説します。

独立を考えているなら制度に関する理解を深めて、必要な手続きを行いましょう。

目次

一人親方とは自身の技能と責任で現場作業に従事する事業主

一人親方とは自身の技能と責任を元に現場で作業を行う事業主です。

請け負った工事に対し自らの技能と責任で完成させることができる現場作業に従事する個人事業主
引用元:下請指導ガイドラインの改訂で追加する内容│国土交通省

技能と責任の定義は以下の通りで、1人で仕事をしても問題ないレベルに達している必要があります。

分類 詳細
技能 ・十分な実務経験がある ・多種の立場を経験している ・専門工事の技術がある ・安全衛生の知識がある
責任 ・建設業法や社会保険関係法令を遵守する ・納税を行う

技能として多種の立場の経験や専門工事の技術が求められ、法令の遵守や納税の責任を負います。

一人親方は職人でもあり、下記4つの職階級で言えば3番目です。

①見習工(従弟)→②職人(技能者)→③一人親方(独立自営業者)→④親方(経営者)

階級を元にすると、一人親方は見習工や職人として経験を積み、独立して仕事ができるまで経験を積んだ最高位の職人です。

ただし昨今の職人業界では「人を雇えなくなった」「雇ってくれるところがない」といった理由で、やむなく一人親方になったケースも。

独立の経緯にかかわらず、一人親方は自身の技能と責任を元に仕事がこなせる立場です。

一人親方として独立するなら、積んできた経験を生かして幅広く仕事を請け負いましょう。

一人親方として認められる業種と職種

一人親方として従事できる仕事は、以下の例を始めとして特定の業種に限られます。

  • 建設業
  • 運送業
  • 林業
  • 漁業 など

一人親方の大部分を占める建設業に該当する業種や職種は以下の通りです。

≪建設業種≫ ≪具体的な職種≫
土木工事業 道路工事、橋梁工事、河川工事
建築工事業 元請業者の立場で総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事
大工工事業 大工工事、型枠工事、造作工事
左官工事業 左官工事、モルタル工事、モルタル防水工事、吹付け工事、とぎ出し工事、洗い出し工事
とび・土工・コンクリート工事業 とび工事、ひき工事、足場等仮設工事、重量物のクレーン等による揚重運搬配置工事、鉄骨組立て工事、コンクリート・ブロック据付け工事、くい工事、くい打ち工事、くい抜き工事、場所打ぐい工事、土工事、掘削工事、根切り工事、発破工事、盛土工事、コンクリート工事、コンクリート打設工事、コンクリート圧送工事、プレストレストコンクリート工事、地すべり防止工事、地盤改良工事、ボーリングクラフト工事、土留め工事、仮締切り工事、吹付け工事、法面保護工事、道路付属物設置工事、屋外広告物設置工事、捨石工事、外構工事、はつり工事、切断穿孔工事、アンカー工事、あと施工アンカー工事、潜水工事
石工事業 屋根ふき工事
電気工事業 発電設備工事、送配電線工事、引込線工事、変電設備工事、構内電気設備(非常用電気設備を含む。)工事、照明設備工事、電車線工事、信号設備工事、ネオン装置工事、(避雷針工事)
管工事業 冷暖房設備工事、冷凍冷蔵設備工事、空気調和設備工事、給排水・給湯設備工事、厨房設備工事、衛生設備工事、浄化槽工事、水洗便所設備工事、ガス管配管工事、ダクト工事、管内更生工事
タイル・レンガ・ブロック工事業 コンクリートブロック積み(張り)工事、レンガ積み(張り)工事、タイル張り工事、築炉工事、石綿スレート張り工事
鋼構造物工事業 鉄骨工事、橋梁工事、鉄塔工事、石油ガス等の貯蔵用タンク設置工事、屋外広告工事、閘門、水門等の門扉設置工事
鉄筋工事業 鉄筋加工組立て工事、ガス圧接工事
舗装工事業 アスファルト舗装工事、コンクリート舗装工事、ブロック舗装工事、路盤築造工事
しゅんせつ工事業 しゅんせつ工事(河川、港湾等)
板金工事業 板金加工取付け工事、建築板金工事
ガラス工事業 ガラス加工取付け工事
塗装工事業 塗装工事、溶射工事、ライニング工事、布張り仕上工事、鋼構造物塗装工事、路面標示工事
防水工事業 アスファルト防水工事、モルタル防水工事、シーリング防水工事、塗膜防水工事、シート防水工事、注入防水工事
内装仕上工事業 インテリア工事、天井仕上工事、壁張り工事、内装間仕切り工事、床仕上工事、たたみ工事、ふすま工事、家具工事、防音工事
機械器具設置工事業 プラント設備工事、運搬機器設置工事、内燃力発電設備工事(ガスタービンなど)、集塵機器設置工事、トンネル、地下道等の給排気機器設置工事、揚排水機器設置工事、ダム用仮設備工事、遊技施設設置工事、舞台装置設置工事、サイロ設置工事、立体駐車設場備工事
熱絶縁工事業 冷暖房設備、冷凍冷蔵設備、動力設備又は燃料工業、化学工業等の設備の熱絶縁工事
電気通信工事業 電気通信線路設備工事、電気通信機械設置工事、放送機械設置工事、空中線設備工事、データ通信設備工事、情報制御設備工事、TV 電波障害防除設備工事
造園工事業 植栽工事、地被工事、景石工事、地ごしらえ工事、公園設備工事、広場工事、園路工事、水景工事、屋上等緑化工事
さく井工事業 さく井工事、観測井工事、還元井工事、温泉掘削工事、井戸築造工事、さく孔工事、石油掘削工事、天然ガス掘削工事、揚水設備工事
建具工事業 金属製建具取付け工事、サッシ取付け工事、金属製カーテンウォール取付け工事、シャッター取付け工事、自動ドアー取付け工事、木製建具取付け工事、ふすま工事
水道施設工事業 取水施設工事、浄水施設工事、配水施設工事、下水処理設備工事
消防施設工事業 屋内消火栓設置工事、スプリンクラー設置工事、水噴霧、泡、不燃性ガス、蒸発性液体又は粉末による消火設備工事、屋外消火栓設置工事、動力消防ポンプ設置工事、火災報知設備工事、漏電火災警報器設置工事、非常警報設備工事、金属製避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋又は排煙設備の設置工事
清掃施設工事業 ごみ処理施設工事、し尿処理施設工事
解体工事業 工作物解体工事

建築業だけでも幅広い業種が一人親方の対象となり、例えば土木工事では道路工事や橋梁工事、河川工事といった職種が含まれます。

自分が一人親方を名乗れるか、今の働き方から判断可能です。

一人親方として働く際に必要な労災保険の加入時にも、正しい業種や職種の申告が求められます。

自分の働き方を整理し、一人親方として独立できるかチェックしましょう。

ポピュラーな建設業の一人親方に関しては以下の記事でも詳しい説明をしています。

→ 建設業の一人親方になるには

一人親方の仕事は事故や怪我のリスクが高い

一人親方の仕事は建設業を筆頭に現場作業が多く、事故やケガのリスクが常に付きまといます。

人一倍の安全意識を持って注意したとしても、リスクを0にはできません。

一人親方にとって重要なのが、万が一のケガに備える労災保険です。

一人親方は労働者ではないため、通常は労災保険の加入が認められません。

ただし仕事の性質が労働者に近い点から「特別加入」の形で労災保険に加入できるルールが定められています。

労災保険に特別加入するなら、国の認可を得た「特別加入団体」を通した申し込み手続きが必要です。

当団体も特別加入団体に該当し、比較的安価な料金設定やクレジットカード決済、スピーディーな加入手続きなど充実のサービスで一人親方を支援しています。

加入を検討する余地のある人は以下でサービス内容を確認可能です。

一人親方の労災保険の親方プラスの特徴

親方プラス公式サイトはコチラ

一人親方労災保険については、以下でも詳細を解説していますのでぜひご覧ください。

→ 一人親方労災保険とは

一人親方と個人事業主の違いは業種や労災保険の加入資格

一人親方と個人事業主の違いは以下の通りです。

  • 対象となる業種
  • 雇用関係
  • 労災保険の特別加入制度の適用状況

一人親方と個人事業主には従事できる業種に違いがあります。

一人親方は原則従業員を雇用せずに働きますが、個人事業主は従業員を雇っても構いません。

労災保険の特別加入が認められるかにも違いがあります。

一方で税金面の違いはほとんどなく、両者とも確定申告が必要です。

一人親方と個人事業主どちらに分類されるかで必要な手続きが変わるため、自分がどちらにあたるか確認しましょう。

個人事業主の観点についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

→ 個人事業主と労災保険

一人親方は主に建設業界での呼び方で個人事業主は幅広い業種が対象

一人親方は主に建設業界での呼び名で、国※によって対象となる業種が決められています。

現場作業が主体の業種に多く、培った技能を元に請け負った工事を完成させる職人です。

個人事業主は業種による制限がなく、以下の例の通り幅広い仕事が対象となります。

  • クリエイター
  • ハンドメイド作品販売
  • コンサルタント
  • ITフリーランス
  • 飲食店経営者
  • 小売業者
  • ネイルサロン経営
  • 歯科技工士
  • あん摩マツサージ指圧師

クリエイターやハンドメイド作品販売といった、クリエイティブな分野に携わる個人事業主も多いです。

飲食店や小売業も、企業に雇われるのではなく、個人で事業を立ち上げていれば個人事業主と呼ばれます。

専門性が求められる歯科技工士やあん摩マツサージ指圧師も、個人で事業を行っていれば個人事業主に分類される仕組みです。

自分が一人親方にあたるか判断できないときは、国の分類を確認しましょう。

※参照:特別加入制度のしおり│厚生労働省

一人親方は従業員を雇わず雇用もされない

一人親方は原則従業員を雇わず、雇用もされずに自分一人で事業を行います。

ただし以下の通り一部例外があり、ルールの範囲内なら複数人で工事を請け負っても構いません。

  • 生計を一にする配偶者や子どもなら雇える
  • アルバイトを1年に延べ100日未満雇う

生計を一にする配偶者や子どもなら、期限を気にせず仕事を手伝ってもらえます。

第三者のアルバイトを雇うなら、雇用日数を年間のべ100日未満に抑えると一人親方のままです。

のべ100日未満のため、例えば2人が50日ずつ働く、4人が25日ずつ働くといった雇い方をすると、合計日数が100日になり一人親方ではいられません。

雇用されず自分で事業を営む人全般は、個人事業主といいます。

従業員を雇うのは自由で、「事業が拡大したので従業員を増やした」「店舗を増やすのでアルバイトを雇った」といった柔軟な対応も可能です。

一人親方として働き続けるなら、仕事の手伝いを依頼する相手や日数を調整しましょう。

一人親方は労災保険の特別加入制度が適用される

一人親方には、通常は労働者が対象となる労災保険に加入できる「特別加入制度」が適用されます。

特別加入制度はリスクが高い業種で働く一人親方が、仕事中のケガや病気、事故に対して補償を受けられるよう設けられました。

個人事業主は原則労災保険の特別加入制度の対象外です。

ただし以前から個人事業主として働く一部のフリーランスも特別加入制度の対象となっていて、令和6年11月1日にはさらに対象業種が拡大※されました。

※参照:令和6年11月1日から「フリーランス」が労災保険の「特別加入」の対象となりました│厚生労働省

一人親方だけではなく、対象業種でフリーランスとして働く個人事業主も労災保険の特別加入制度を利用できるので、万が一に備えて加入しましょう。

親方プラスでは、一人親方の労災保険に以下のサービスも付加し、特別加入をサポートします。

一人親方の労災保険の親方プラスの特徴

費用面についてはコチラ

一人親方労災保険の補償内容は幅広い

一人親方労災保険の補償内容は以下の通り幅広く、危険を伴う仕事も少なくない一人親方の万が一に備えられます。

  • 業務中や通勤中に備える療養補償
  • 働けなくなったときの休業補償
  • 障害が残ったときに受けられる傷害補償
  • 万が一 命を落としたときに受け取れる遺族保証
  • 業務中の事故で亡くなったときの葬祭料
  • 業務中の事故で重度の障害が残ったときに備える介護保障

業務中や通勤中に発生した怪我や病気の補償をはじめとして、働けなくなったときには休業補償が受けられます。

障害が残ったときでも障害保障が受けられ、全く収入がなくなる心配は少ないです。

万が一、一人親方が命を落としたときでも、遺族に対する補償があります。

補償の内容を確認し、いざというときには忘れず請求しましょう。

療養補償(治療費)

療養補償では、業務中や通勤中に発生したケガや病気の治療費が全額補償されます。

例えば以下のときが該当し、労災保険を活用すれば自己負担なしで治療が可能です。

  • 工事現場での作業中に転倒して骨折
  • 高所作業中に落下して捻挫

不慮の負傷のときに該当し、保険金を請求できます。

労災指定病院での治療を受けるとスムーズな手続きが可能です。

休業補償(休業給付)

労災事故によるケガや病気で働くことができなくなった場合、休業4日目以降から給付基礎日額の80%が支給されます。

医師の診断で労働不能の期間が続く限り、休業補償の受け取りが可能です。

医師の診断で回復と判断されたときや、仕事復帰が可能なタイミングで支給は終了となります。

給付基礎日額が10,000円なら、1日あたり8,000円の休業補償が受けられる仕組みです。

障害補償

業務中の事故によって障害が残ったときは、障害の程度に応じて「障害補償年金」または「障害補償一時金」が支給されます。

障害の程度は1級から14級まで細かく分類され、1級〜7級の重度の障害()には年金が支給されるルールです。

8級〜14級の軽度な障害のときは一時金が支払われます。

例えば現場作業中に鉄骨が落下し、大きなケガを負って腕が動かなくなったとすれば、障害の状況を確認して該当する等級が決まる仕組みです。

遺族補償

万が一業務中の事故によって一人親方が命を落としたときは、遺族に対して遺族補償給付や遺族年金が支給されます。

遺族補償は遺族の生活を支えるためのもので、被災者が生前に得ていた収入に応じて給付額が決まる仕組みです。

遺族の人数や関係性によっても支給額が変動するため、詳細は個別に確認しましょう。

葬祭料

一人親方が業務中の事故で死亡したときは、葬儀費用として一定額が支給されます。

葬儀には多額の費用がかかるため、補償があれば遺族の負担を軽減可能です。

支給額は一定の基準に基づいて決定され、支給を受けるには所定の手続きが必要になります。

介護補償

業務中の事故によって重度の障害が残り、常に介護が必要な状態になったら、介護費用の補償を受けられます。

例えば建設現場での重大な事故によって脊髄を損傷し、日常生活において介助が必要になったら、介護補償が適用されるルールです。

介護の必要度に応じて、定期的な支給が行われるケースもあります。

一人親方の労災保険の親方プラスの特徴

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税金面での違いはほとんどなく確定申告が必要

一人親方と個人事業主に税金面での違いはほとんどなく、両者とも確定申告が必要です。

納める税金の種類は以下の4つです。

  • 所得税
  • 消費税
  • 住民税
  • 個人事業税

所得税と消費税は確定申告を行って納税します。

消費税はインボイス制度に登録しているか、2年前の売上が1,000万円を超えているときに発生。

どちらにも当てはまらなければ、納税の必要自体がありません。

確定申告には以下の2種類があり、一人親方として独立したばかりで「とりあえず確定申告を済ませる」といったときは、簡易な帳簿で対応できる白色申告が手軽です。

確定申告の種類 帳簿 メリット
青色申告 一定の基準を満たした帳簿 ・青色申告特別控除が受けられる
・赤字が出たとき繰り越せる
・家族への給与を必要経費にできる
白色申告 簡易な帳簿で対応可能 手間がかからない

継続的に事業を行うなら、青色申告特別控除が受けられて節約につながりやすい青色申告が向いています。

赤字が出たときも原則3年間は繰り越しができ、収入が不安定になりがちな一人親方や個人事業主も事業を始めやすいです。

帳簿のつけ方に基準があるので、難しいときは専門科への相談や会計ソフトの導入で乗り切りましょう。

住民税と個人事業税は、自治体や都道府県から送られてくる通知書に従って納税します。

個人事業税は払わなくて済むケースもある

個人事業税はすべての一人親方や個人事業主に課せられるわけではなく、以下2つの条件に当てはまるときのみ発生します。

  • 年間の事業所得が290万超
  • 対象の事業に当てはまっている

個人事業税には一律で年290万円の「事業主控除」が設けられており、年間の売上から必要経費を控除した残りの事業所得が290万以下なら、税金が発生しません。

事業開始年度が12か月に満たないときは、月割りで控除を受けられます。

例えば開業届を7月に出し、12月まで6か月経過すると145万円が控除され、事業所得が145万円以下なら、税金が発生しません。

個人事業税は地方税制度に基づき、法定業種として指定される70業種に対して課税されます。

一人親方ならほとんどの業種が対象で、多くのケースで税率は5%です。

納税を求める通知が届いたら、速やかに納付しましょう。

参照:法廷業種と税率│東京都主税局

一人親方の労災保険の親方プラスの特徴

費用の詳細はコチラ

一人親方になるメリットは自由度の高さや経費による節約ができる点

一人親方になる主なメリットは以下の6点です。

  • 自由に働き方を決められる
  • 年収アップも目指せる
  • 人間関係に縛られずに済む
  • スキルアップや事業拡大を目指しやすい
  • 費用の一部を経費として算入できる
  • 従業員を管理する手間が省ける

一人親方は1人で業務を請け負うため、自由に働き方を決められます。

単価交渉ができるケースもあり、年収アップも目指しやすいです。

人間関係に縛られる心配がなく働きやすいのもメリットで、幅広い業務を担当する必要があるためスキルアップや事業拡大も目指せます。

費用の一部を経費として算入できれば、税金の節約につながる可能性も。

従業員がいないので管理に割く時間や手間も省けます。

1人親方になるか迷っている人はメリットを確認して、自分に合っていると判断したら独立を目指しましょう。

一人親方の具体的な業種に関する詳細の記事もあるので、それぞれの実態も確認できます。

→ 電気工事士の一人親方
→ 塗装業の一人親方
→ 大工の一人親方

一人親方になると自由な働き方を実現できる

一人親方になると以下の点で自由な働き方を実現できます。

  • 働くペースを自由に決められる
  • 受ける仕事を選べる
  • 定年がない

一人親方なら働く曜日や時間を自由に決められます。

仕事に重点を置きたいなら多めに仕事を請け負う、プライベートを優先したい人は自分の好きなタイミングで休みを取るといった柔軟な対応が可能です。

一人親方だと受ける仕事も選べ、自分の得意分野を生かす、取り組んだ経験のない業務に携わるといった希望にも合わせられます。

一人親方には定年がありません。

「まだまだ元気なので働き続けたい」「老後に備えて少しでも長く働いておきたい」といった希望があっても、会社員だと勤務規定に従う必要があります。

一人親方なら自分で決められるため、長く働きたい職人にもぴったりです。

体力的な理由で会社員として働くのは難しくても、ペースを落とせば働ける職人にも向いています。

自由度の高い働き方を叶えたい職人は一人親方として独立を目指しましょう。

単価交渉ができ年収アップの可能性もある

一人親方として働くと以下の理由で年収アップにつながる可能性もあります。

  • 単価交渉ができる
  • 単価の高い現場を選べる
  • 仕事を多めに受けられる

会社に所属して働くと固定給になり、単価を自分では決められません。

一人親方なら交渉により単価を引き上げられるケースもあります。

特に実績が豊富な職人なら、スキルや経験に見合った評価が受けられ、単価を引き上げやすい傾向です。

会社に所属していると受ける仕事も自分では選べません。

一人親方なら単価が高い現場のみに絞って仕事を請け負えば、収入アップにつながりやすいです。

請け負う業務の量を増やすのも収入アップを目指すために効果的。

無駄のないスケジュールを組んで、効率化を目指すと、今まで以上の収入を得られる可能性もあります。

会社に所属していて収入に不満がある職人は、一人親方としての働き方も検討しましょう。

人間関係に縛られないので働きやすい

一人親方は原則雇用関係なしに事業を行うため、社内の人間関係や上下関係に悩む心配を減らせます。

会社に勤めていると常に同じメンバーで仕事を請け負うため、合わない人がいると悩みが深くなりやすいです。

一人で仕事をこなすのなら周りに気を使う必要がなく意識を業務のみに向けられます。

クライアントとの立場も対等になりやすく自分の裁量で取引先を選びやすいです。

例えば無理を押し付けられる現場は次から避ける、スケジュールがタイトすぎるときは安全面を考慮して辞退するといった判断もできます。

複数社との取引もでき、1社との関係が悪くなっても別の現場があれば、余裕も持ちやすいです。

人間関係に悩んでいる職人は一人親方として独立し、働き方の変更も視野に入れましょう。

一人親方ならスキルアップや事業拡大も目指せる

一人親方は以下の理由でスキルアップも目指しやすいです。

  • 事業運営のすべてを1人で行う
  • 仕事を調整してスキルアップのために勉強する
  • スキルアップにつながる現場で働く

一人親方が事業運営のすべてを1人で行うには、現場での技能以外に以下のスキルも身につけなければいけません。

  • 営業
  • マーケティング
  • 経理

自分で受ける仕事を探さなければいけないので、自分の経験や能力をアピールして仕事を請け負う営業のスキルも求められます。

一人親方でいうマーケティングは、自分の能力をいかに高く買ってもらえるかの仕組み作りです。

例えば名刺の書き方や職歴の伝え方の工夫、過去の実績を提示できる資料の準備といった方法が考えられます。

自分が高めたいスキルにつながる現場で仕事を請け負う方法も、スキルアップにつながりやすいです。

スキルを高めて自分の経験や能力を高く評価してもらえれば、事業の拡大も目指せます。

今後スキルアップを目指したい職人は一人親方としての独立も意識しましょう。

経費として算入できる費用もあり節約できる

一人親方になると費用の一部を経費として算入でき、節税につなげられる可能性もあります。

一人親方が経費として算入できる代表的な費用は以下の通りです。

項目 具体例 備考
事務所関連費 家賃、水道光熱費、通信費(インターネット・電話代・業務用スマホ代) 自宅兼事務所なら家事按分が必要
車両費 ガソリン代、高速料金、駐車場代、自動車保険、車検費用 私用との区別が必要
消耗品費 文房具、コピー用紙、インク、工具類、軍手、安全靴、仕事用の作業着代など 10万円未満で事業で使用するもの
減価償却費 パソコン、スマホ、工具、大型機械 10万円以上のときは減価償却が必要
接待交際費 取引先との飲食費、手土産代 事業に関係するものに限る
広告宣伝費 ホームページ制作費、広告費、チラシ印刷代 SNS広告も含む
研修費 セミナー参加費、書籍購入費 スキルアップ目的
外注費 他の職人への外注費、デザイナーやライターへの依頼費 業務委託契約があると望ましい
交通費 電車・バス代、タクシー代、出張時の宿泊費 業務に関連するもの
会議費 打ち合わせ時のカフェ代、レンタルスペース代 過度な高額利用は認められない可能性もある
租税公課 事業関連の税金(事業税、固定資産税)、印紙代 所得税や住民税は対象外

仕事に必要な費用は多くが経費として認められます。

自宅を事務所として使っているときは、家事按分すれば経費としての申請も可能です。

家事按分は事業と私生活の共同の支出を、合理的な割合で事業分と家事分に分けて、事業分のみ経費として申告する方法をいいます。

目安にできるのは事業に使っている部分の面積や時間で、例えば自宅の5分の1が事業専用なら電気代や水道光熱費の5分の1を経費にすると認められやすいです。

車両費なら週7日のうち事業に使うのが5日、残りがプライベートといった分け方ができます。

確定申告では売上から経費を引いた金額に応じて、税金を納める仕組みです。

経費計上するには、領収書や請求書を保管し、事業に関係する支出であると証明できなければいけません。

どの費用が経費にできるか確認し、漏れがないよう管理して税金を減らしましょう。

経費に関しては以下の記事でも詳しく解説しています。こちらも是非ご覧ください。

→ 一人親方の労災保険の経費について

従業員がいないので手間がかからない

一人親方として働けば従業員がいないので以下の手間がかかりません。

  • 教育や管理
  • 固定費の捻出

従業員を雇っていると従業員に仕事を教える時間や、ミスがあったときのフォローが必要です。

人間関係がこじれれば調整も求められ、仕事以外で時間を取られがちです。

従業員のモチベーション管理も不要で、自分のペースで仕事を進められます。

従業員を雇うなら固定費も捻出しなければいけません。

一人親方なら毎月決まった給与を支払う、社会保険料を支払うといった負担もなく、必要以上の資金がなくても事業を続けられます。

毎月の給与計算や勤怠管理の手間も発生せず、自分の業務管理のみできれば業務の請負が可能です。

自分の業務のみに集中したい職人は、一人親方として働きましょう。

一人親方として働くデメリットと可能な対策

一人親方として働くデメリットと考えられる対策は以下の通りです。

デメリット 対策
収入が不安定になりがち ・複数の企業と関係を築いておく
・スキルアップを目指す
体調を崩したら働けなくなる ・仕事量のコントロール
・就業不能保険も検討する
業務に関する管理をすべて行わなければならない ・経営に関する知識も身につける
・業務管理ツールを活用する
保険料や補償を用意しなければいけない 保険料が支払えるか考慮してから独立する
福利厚生費は経費にできない ・優待サービスを提供している一人親方労災保険の特別加入団体に加入する
融資の審査に通りにくい ・日本政策金融公庫で審査を受ける
・経費関連をきちんと整理する

一人親方は自分で仕事の受注をする必要があり、仕事が見つからないと収入が不安定になりがちです。

体調を崩したら働けなくなり、収入が途絶えるケースも。

仕事だけではなく業務に関する管理もすべて行わなければならず、思わぬ負担になる可能性があります。

保険料や補償を自分で用意するには、ある程度まとまった費用が必要です。

従業員を雇っている個人事業主なら費用として計上できる福利厚生費ですが、一人親方は経費にできません。

収入が安定していないと融資の審査に通りにくくなり、資金調達に困る可能性も考えられます。

デメリットを知っておけば対策がしやすいので、一人親方として独立する前に確認しましょう。

働き方や状況によっては収入が不安定になる

一人親方として独立すると、以下の例の通り働き方や状況によっては収入が安定しにくい可能性もあります。

  • 仕事の受注量を抑えている
  • 閑散期の影響
  • 大手との直接取引が難しい
  • 取引先の減少

一人親方の収入は仕事の量や取引先に依存します。

プライベート優先の働き方で仕事の受注量を減らすと、生活に必要な資金が稼げません。

3月末の決算期に間に合うよう工事を終わらせる必要がある、4月から新しい建物が必要といった理由で、建設業界全体の閑散期は4月~6月です。

繁忙期の9月前後や年度末は仕事が多くても、閑散期に思ったように仕事を請け負えなければ、資金計画が狂う可能性もあります。

一人親方は大手との直接取引が難しく、間に別の企業を挟むと単価が下がるケースも。

取引先が減ると請け負える仕事の量も減り、収入減少に直結しやすいです。

一人親方が収入を安定させるポイント

一人親方が収入を安定させるには、複数の企業と関係を築いておくと、1社で仕事が減っても別の企業で補える可能性があります。

元請けとの距離が近い仕事を確保するのも1つの方法です。

スキルアップを目指すと単価が引き上げられ、業務量が少なくても必要な収入を確保しやすくなります。

収入を安定させられるよう、独立前から企業との関係づくりやスキルアップの取り組みを始めましょう。

体調を崩すと働けなくなるので体調管理や業務量のコントロールが重要

一人親方は自分の体が資本で、体調が悪くなると働けなくなります。

繁忙期や取引先の工事が重なって仕事が集中すると、労働時間が長くなりがち。

案件をこなすため夜間にも仕事をする、仕事以外の業務で休日がつぶれるといった問題も起こり、ワークライフバランスが崩れやすいです。

以下の方法で体調管理を行い、働けないリスクを減らしましょう。

  • 睡眠時間を確保する
  • 食事はきちんと摂る
  • ストレッチや準備体操をしてから業務に就く
  • 空調服や冷却プレートを活用する

睡眠時間の確保や規則正しい食生活といった日常の対策から、現場でできる準備体操や空調服の活用まで、可能な対策を行う必要があります。

無理のない働き方を実現するためにも、受注する段階で仕事量もコントロールしましょう。

一人親方が働けなくなると、収入が途絶えて生活が成り立たなくなる可能性もあります。

民間の就業不能保険の活用や定期的な貯蓄も意識して、働けない時期があっても生活が成り立つよう準備しましょう。

業務に関する管理をすべて自分で行う必要がある

一人親方になると、仕事だけではなく業務に関する管理もすべて自分で対応しなければいけません。

業務に関する管理は以下の通り幅広く、思わぬ負担になるケースもあります。

  • 仕事の受注
  • 納期の管理
  • 経理
  • 税務
  • 顧客対応

今までは所属先の会社がやってくれていた仕事の受注から納期の管理まで、自分で行う必要があります。

事業資金の管理や確定申告もあり、青色申告をするなら複雑な帳簿の入力や管理の手間も発生。

仕事をスムーズに受注できるよう、顧客対応にも力を入れなければいけません。

事務作業や営業面での負担が大きく、経営全般に関する知識やスキルが必要です。

申告や消費税の申告など税務手続きも複雑で、ミスをするとペナルティを受けるリスクもあります。

独立してから仕事をしつつ新たなスキルを身につけるのは難しいため、独立前に必要な知識を学んでおくとスムーズ。

会計ソフトや業務管理ツールを活用すると、難しい帳簿の作成や間違えられない納期の管理もしやすいです。

独立するときにはツールの導入も検討し、仕事以外の部分にかかる手間を省きましょう。

保険料や補償を自分の責任で用意しなければならない

一人親方になると、会社員時代は会社からの補助が受けられたり会社が支払ってくれたりしていた、以下の費用を自分の責任で用意しなければいけません。

  • 国民年金
  • 医療保険
  • 労災保険

会社で働いていたときは、厚生年金や医療保険は会社が半額程度負担してくれていました。

一人親方として独立すると、すべて自分で支払う必要があり、負担に感じる可能性もあります。

労災保険は全額会社持ちだったため、より負担に感じがちです。

独立前に必要な資金をシミュレーションして、支払えるか確認してから独立を決めましょう。

建築業界で働く一人親方が加入できる健康保険は2種類ある

建設業に従事している一人親方が加入できる健康保険には以下の2種類があり、どちらに加入しても構いません。

  • 国民健康保険
  • 国民健康保険組合(建設国保)

国民健康保険は所得額に応じて金額が変動するため、収入が少なければ保険料を安く抑えられます。

加入手続きも手軽ですが、所得保障の制度はありません。

国民健康保険組合は年齢や勤務形態を元に保険料が決定され、収入が少ないと負担に感じがちです。

必要書類が多めで手間がかかる分、補償は手厚い傾向にあります。

収入が増えても保険料が上がらないため、将来的に事業が拡大したときは保険料の負担を軽減しやすいです。

収入や求める補償によって向いている健康保険が異なるので、比較して自分に合う制度に加入しましょう。

一人親方は福利厚生費を経費にできない

従業員を雇っていない一人親方は、福利厚生費を経費として計上できません。

福利厚生費を経費とできるのは、従業員を対象としているときのみです。

例えば現場応援に来てくれる職人やいつもチームとして動いている仲間(子方など)も、雇ってはいないため対象になりません。

福利厚生費は経費にできなくても、以下の対策は可能です。

  • 一人親方労災保険加入時に優待サービスが受けられる特別加入団体を選ぶ
  • 出費の内容によっては別の名目で経費にできる

一人親方労災保険加入時には、自分で加入するのではなく特別加入団体を選んで手続きしてもらう必要があります。

特別加入団体によっては優待サービスを提供しており、福利厚生の代わりとして利用できるケースも。

例えば現場応援に来てくれる職人や子方に食事を提供したときは、接待交際費として経費にできる可能性があります。

福利厚生費にこだわらず、一人親方労災保険の特別加入団体でサービスを受ける方法や別の経費として計上する方法を検討しましょう。

一人親方は融資を受けにくいケースがある

一人親方は融資を受けにくく、資金調達や事業拡大が難しい可能性もあります。

閑散期は仕事が少なくなる、取引先が減ると収入が下がるといった環境の影響を受けやすく、収入が不安定とみなされる可能性も。

ローンの審査では継続して返済ができるかを重視しているため、収入が少なく返済の難しい月があると不利になる傾向です。

建設業では仕事をしてから売上金を回収するまで時間がかかり、融資を受けられないと資金繰りに苦労をするリスクも。

一人親方が融資を受けるなら日本政策金融公庫の利用も検討しましょう。

日本政策金融公庫は政府の金融機関としての位置付けで、創業間もない事業者でも借り入れできるケースがあります。

審査通過の可能性を高めるには、経費関連をきちんと整理するのも効果的です。

ローン審査では売上から経費を引いた金額が基準になるため、節税のため経費を多く取りすぎると実際よりも所得が低く見える可能性も。

経費を把握していないと「資金管理がきちんとできていない」と疑われ、信用を得られません。

事業資金の動きについて質問されたときに、スムーズに回答できるよう、経費をきちんと把握しておきましょう。

一人親方になるにはどうすればいいか流れを解説

一人親方になるには以下の流れで独立の準備をしましょう。

  1. 仕事に必要なお金や道具を確保する
  2. 独立前から人脈作りもする
  3. 期限内に開業届を出す
  4. 社会保険や労災保険の手続きもする

独立してからお金や道具の手配をしていては、仕事を請け負えるまでにかなりの時間がかかります。

一人親方は幅広い業務を担当しなければならず、仕事もしながら人脈作りをするのは難しいです。

独立前から独立後を見据えて準備をしておかなければいけません。

一人親方として独立したら期限内に税務署へ開業届けを出し、合わせて社会保険や労災保険の手続きも行う必要があります。

1人親方として独立するには行うべき準備が多くあるので、退社してから慌てないよう、計画的に準備を進めましょう。

独立の準備として資金や仕事道具を確保する

一人親方として独立を決めたら会社で働いているうちに以下の準備をしましょう。

  • 資金
  • 道具
  • 作業着
  • 通信環境
  • 事務所用品

一人親方として業務を始めるにあたり、まとまった資金は欠かせません

建設業界では仕事を請け負ってから入金までに時間がかかるケースもあり、当面の生活費が必要です。

独立後に足りないものに気づいたときも、すぐに買い足さなければいけません。

道具や作業着は1人親方として作業をする上で欠かせないものです。

会社員として働いていたときは職場が支給してくれていたものも、一人親方になったらすべて自分で用意しなければいけません。

現場へ出向くための車や当面のガソリン代、有料道路を通るならETCカードといった、交通関連の費用も必要です。

受注からスケジュールの調整まですべて自分で行う一人親方として仕事を請け負うなら、通信環境も整えなければいけません。

途中で充電が切れないようモバイルバッテリーや、車内で業務をするときに備えてポータブル電源もあると安心です。

プリンターやパソコンといった事務所用品も揃える必要があります。

計画を立てないうちに独立すると仕事が受注できないまま出費だけがかさむ可能性もあるので、必要な資金と物を揃えてから独立しましょう。

仕事を請け負えるよう人脈作りもしておく

一人親方として仕事を請け負うには独立前に人脈作りもしておきましょう

どこで仕事が募集されているかわからなければ、応募のしようもないからです。

人から仕事を紹介してもらえる状態なら自分で探さずに済み、スムーズに仕事に入れます。

仕事が見つからないときは自分から営業活動をする必要があり、手間も時間もかかります。

現場で仕事をこなしながら見積書の作成や現場訪問をこなすのは、体力的にも時間的にも厳しいです。

仕事が見つけられないときは、求人サイトに掲載されている求人に応募するといった対策はできます。

とはいえ単価が自由に設定できない、時間を選べないといったケースが多く、一人親方としての自由な働き方を叶えられるメリットが薄れる可能性も。

可能な限り一人親方として独立するまでに人脈作りをしましょう。

事業開始から1か月以内に税務署に開業届を出す

一人親方として独立して事業を開始したら、1か月以内に税務署へ開業届を出しましょう。

開業届を出しておくと節税効果の高い青色申告が可能になります。

開業届には以下のメリットもあり、事業主としての信用度も高まりやすいです。

  • 事業を行っている実態が証明できる
  • 屋号付きの銀行口座の作成ができる
  • ビジネス用クレジットカードが作れる
  • インボイス制度に対応しやすい

一人親方に仕事を依頼する側としては、本当に業務をきちんとこなしてくれるか不安になる可能性もあります。

開業届によって事業を行っている実態が証明できれば、信用を得やすいです。

屋号付きの銀行口座やビジネス用クレジットカードの作成も、事業を行っている実態の証明になります。

インボイス制度への登録を求められたときも、開業届を出していればすぐに対応できます。

納税も業務もスムーズに進められるよう、独立したら忘れずに開業届を提出しましょう。

社会保険や労災保険の切り替えをする

一人親方として独立した後は、以下の通り社会保険や労災保険の切り替えまたは新規申し込みを行いましょう。

会社員 独立後
厚生年金 国民年金に切り替え
健康保険 国民健康保険または国民健康保険組合(建設国保)から選んで切り替え
労災保険 一人親方労災保険に新規加入

会社員時代に加入していた厚生年金は国民年金に切り替える必要があります。

健康保険は国民健康保険または国民健康保険組合から選択して切り替えましょう。

労災保険は、会社員時代は企業が保険金を支払ってくれていましたが、一人親方になったら自分で新規加入する必要があります。

一人親方労災保険は特別加入団体に申し込んで手続きする流れです。

手続きを完了させる期間は退職後14日以内が目安なので、できるだけ早めに手続きを開始しましょう。

一人親方とはどのような働き方か知りたい人によくある質問

一人親方とはどのような働き方か知りたい人からたびたび寄せられる質問は以下の通りです。

  • 偽装一人親方とはわかりやすく言うとどんな人?
  • なぜ一人親方になるのはやめとけと言われるの?
  • 一人親方制度廃止の予定があるという噂は本当?
  • 一人親方は法人を設立できないの?

偽装一人親方問題が取り上げられるケースもあり、どのような人を言うのか知りたいとの声があります。

「一人親方になるのはやめとけ」と言われた、一人親方制度廃止の予定があると聞いた、との理由で不安を覚える人も多いです。

一人親方は法人が設立できるか分からないとの疑問も寄せられます。

疑問があるときは独立前に解決して、納得の上で一人親方として仕事を始めましょう。

偽装一人親方とはわかりやすく言うとどういう人ですか?

偽装一人親方をわかりやすく言うと、本来は従業員として扱うべき職人が一人親方として働いている状態です。

一人親方は自分で労働時間や仕事の受注先を選べますが、偽装一人親方は特定の会社からの仕事のみを受注し、会社の指示に従って働いています。

勤務状況を偽装するのは、企業が支払うべき以下の負担を軽減するためです。

  • 社会保険料
  • 雇用保険料
  • 労災保険料
  • 残業代

仕事の単価や仕事の時間が決まっているのに、社会保険料や雇用保険料の支払いを求められると、生活が苦しくなる可能性もあります。

一人親方として働いていると雇用保険の対象外となるため、仕事を失っても失業給付を受けられません。

現場で怪我をしても補償が受けられないので、自分で労災保険に加入する必要もあります。

偽装一人親方は雇用関係にはないとの扱いになっており、残業代も出ません。

自分が不当な状態で働かされていると感じたときは、労働基準監督署や弁護士に相談しましょう。

一人親方になるのはやめとけと言われる理由は何ですか?

「一人親方になるのはやめとけ」と言われるケースもあるのは、収入が不安定になりやすいためです。

一人親方は仕事の請負から納税や事務仕事まですべて自分で対応しなければいけません。

人脈がない、営業がうまくいかないといった理由で、仕事が受けられなければ、収入を失います。

会社に所属していれば社会保険料や健康保険料の補助もありますが、独立したら自分で支払わなければいけません。

スキルや技能を生かして働き、軌道に乗れば高い収入を得られる反面、成功しなければ生活に困る可能性も。

一人親方として働きたい人は独立前から人脈作りや資金金集めといった下準備をしっかりして、計画的に独立しましょう。

一人親方制度廃止の予定があるのは本当ですか?

2026年6月現在、一人親方制度廃止の予定はありません。

ただし以下の理由で一人親方の働き方の見直しは進められています。

  • 時間外労働時間の規制
  • インボイス制度の導入

時間外労働時間の規制により、建設現場でも過度な時間外労働にならないよう見直しが行われています。

規制を守る上で偽装一人親方の問題も浮き彫りになり、対策が必要と判断されたために、制度自体が廃止されるのではないかと噂されるようになりました。

インボイス制度の導入によって消費税の支払い負担が増える、またはインボイス登録しないために仕事が減るといった問題もあります。

どちらにしても収入減少につながりやすく、一人親方を廃業する動きが起こりました。

廃業が増えた背景から、一人親方制度が廃止されるのではないかとの不安の声も寄せられています。

業界全体の動きとしては、一人親方制度を廃止するのではなく、ルールに従っている職人は保護し偽装一人親方を排除する方向性です。

とはいえ今後一人親方としての働き方が変わる可能性もあるため、情報を収集しておきましょう。

一人親方は法人を設立できないのですか?

一人親方でも、雇用関係になければ法人を設立できます。

法人設立のタイミングとして適しているのは所得が800万円を超えたときです。

所得が800万円を超えると、法人が納める法人税の税率の方が個人の所得税よりも低くなります。

より多くの仕事を受注したいときも、法人化した方が信用を高めやすいです。

とはいえ法人設立や維持には手間も費用もかかるので、所得や事業規模を元に判断しましょう。

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投稿者プロフィール
一人親方労災保険連合会 浅井淳平
一人親方労災保険連合会 浅井淳平代表理事
いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。
『建設業界を元気にしたい!』そんな思いで建設業に従事する方々が抱える問題点や悩み事に少しでもお役に立てれば幸いです。
【略歴】
・2011年 某外資系保険会社に入社
・2013年 労災保険特別加入団体の運営を開始
・2016年 大手生命保険会社100%出資代理店へ転身
・2024年 一人親方労災保険連合会【親方プラス】を設立 現在に至る
【趣味・特技】
キャンプ、つり、スキー、サッカー、ゴルフ…etc
 
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