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一人親方の日当相場はいくら?建設業の単価と職種別収入ランキング!

一人親方の日当相場はいくら?建設業の単価と職種別収入ランキング!

会社に雇用されるより、一人親方として独立する方が、日当が上がる傾向にあります。

「実際、一人親方の日当相場はいくらなのか?」

「一人親方として日当を上げるために注意することは?」

など、一人親方になる前に知っておくことで、独立に踏み切るきっかけになるかもしれません。

今回は、一人親方になることをご検討中の方へ、一人親方の日当相場と職種別収入ランキング、一人親方に必要なコストについて解説します。

一人親方の日当相場はいくら?

一人親方の日当相場は、平均18,000〜20,000円であり、職種によって幅があるのが特徴です。たとえば、全建総連東京都連2022年賃金調査報告書によると、日当相場最高額は、ゼネコン(土木)で31,668円、最低は不動産建売会社で19,074円となっています。

上記のように、一人親方の賃金は職種により大きく異なります。しかし、雇われ職人の日当相場は16,000〜18,000円であるため、比較すると一人親方のほうが日当相場は高くなる傾向にあります。

一人親方の職種別の単価・日当相場ランキング

職種によって日当相場が異なる一人親方の、職種別日当相場ランキングを見ていきましょう。日当相場の高い職種を知っておくことで、一人親方になった際に賃金アップを叶えられる手助けになるでしょう。

ランキングは、全建総連東京都連2022年賃金調査報告書より抜粋しています。

第1位:大工

第1位は大工で、18,291円です。大工の日当相場はここ10年間で上昇傾向にあり、建築系の職人は見習いのうちは安価ですが、職長クラスになると日当が高くなるとされています。

対応地域や資格の有無、職種によっても日当に幅があるので、状況次第で高単価が見込めるのが特徴です。たとえば、大工のなかでも鉄骨鳶は日当が高い傾向にあり、職長クラスで平均18,000〜25,000円といわれています。

鉄筋工だと、職長クラスで平均15,000〜18,000円とされており、大工のなかでも職種によって日当に差があります。それでも平均して日当が高く、ランキングでは第1位という結果になっています。

第2位:電工

第2位は電工で、17,920円です。電工とは電気工事士のことで、建物の電気設備を安全に工事・メンテナンスできる国家資格を持った作業者を指します。企業数が多く、大手企業と契約を結ぶなど、事業の波が乗れば収入アップにつなげられる職種です。

電気工事士は、資格を有することで単価の高い作業を請け負えるようになります。電気工事士には第1種・第2種があり、第1種ならオフィスビルでの作業も可能なので、日当アップも叶えられるでしょう。

第3位:型枠大工

第3位は型枠大工で、17,644円です。型枠大工とは、ビル建設などで用いられるコンクリートの型枠を作り、組み立てる作業を行う職人を指します。ビル建設のほかにも、新幹線や橋、トンネル、地下鉄など、コンクリートを取り扱う工事で型枠大工が活躍します。

上記のように、仕事の種類や規模は建設するものによって異なるため、扱う規模が大きくなればなるほど日当は高額になります。

第4位:配管工

第4位は配管工で、17,547円です。配管工とは、建物のあらゆる配管の工事を行う職人を指します。配管には、給水管や排水管、ガス管、冷暖房換気装置、消火設備などがあり、住宅や工場に必須の設備です。

配管工には、排水などを専門に取り扱う衛生配管工と、冷暖房などの空調配管工の2つに区分されます。配管工は資格がなくても働ける職種ではあるものの、資格を取得すれば、仕事の幅が広がるメリットもあります。

有名な資格として、国家資格である配管技能士や、管工事施工管理技士が挙げられます。資格によって仕事の幅が広がれば、日当アップにもつながる可能性があります。

第5位:鉄骨工

第5位は鉄骨工で、17,246円です。鉄骨工とは、高層ビルなどの大きな建築物を支える鉄骨を工場で制作する役割を担います。建物の骨組みを造る仕事なので、建設には欠かせない職種といえるでしょう。

鉄骨工は多くの求人で未経験者を歓迎しているなど、技術の有無に限らず始めやすい職種でもあります。ある一定の技術は必要でも、専門性が高いわけではないため、日当平均も高水準ではないのでしょう。

第6位:その他

第6位はその他で、16,921円です。ランキングに入っている大工、電工、型枠大工、配管工、鉄骨工、塗装工、左官工以外の職種がその他に含まれます。

第7位:塗装工

第7位は塗装工で、16,899円です。塗装工とは、建物の外壁や内部に塗料を塗る職種を指します。塗料を塗ることで美しく見せるのに加えて、日光や雨などで外壁が傷むのを防ぐ効果もあります。建物の建設時には、塗装作業が必須です。

塗装工は学歴や資格が必要なく、経験や技術を積み上げることでキャリアが形成されます。しかし、一人親方として独立するなら、塗装工事業許可の申請が必要になる場合もあります。

第8位:左官工

第8位は左官工で、16,826円です。左官工とは、土やモルタルなどの材料で建物の床や壁を仕上げる仕事を指します。建物の見た目を綺麗に仕上げるほか、安全な建物作りの基礎となる役割を果たします。

左官工はランキングでは下位に推移しているものの、独立には向いている職種です。企業で左官工として勤めている場合は、独立を目指して技術・経験を積めば、年種アップも見込めます。

しかし、他業種から独立することでの年収増加は厳しいでしょう。ランキングから、他業種の日当よりも低いといえるからです。

一人親方の日当を上げるポイント

日当を上げるために一人親方として独立を考える場合、少しでも年収が上がる工夫をしたいものです。そこで、今回は一人親方として日当を上げるためのポイントを7つご紹介します。

独立前からできることもあるので、一人親方になることをご検討されている方は今からでも始められます。少しでも早く日当アップを叶えたい方は、下記のポイントを押さえましょう。

日当の高い職種を選ぶ

一人親方は、職種によって日当が大きく異なります。日当の高い職種を選んで独立することで、日当を上げられる可能性が高くなるでしょう。職種別の単価・日当相場ランキングでもお伝えしたように、第1位の大工では日当が高い傾向にあります。

現職で経験を積んでキャリアを築き職長になる、技術を磨いて資格の取得を目指すなど、実績が照明できるものがあれば、独立もしやすいでしょう。

一人親方になる際は、どの職種で独立するかを吟味することで、日当を上げられるといえます。

高単価・長期案件を受注する

一人親方として仕事を請け負う際は、高単価・長期案件を受注するように心がけましょう。同じ作業でも依頼先によって単価は上下するものです。単価が低いか高いかを判断できるように、相場を理解しておくことも重要になります。

一人親方の単価の相場を理解しておけば、低単価で依頼された案件に対して価格交渉ができるなど、単価アップを実現できることもあります。また、長期案件であれば作業日が多くなる分、日当を合計した報酬も比例して大きくなるでしょう。

単発の案件を請け負うと、収入が安定しないという不安を抱える可能性もあります。長期案件で収入の確保を目指すことは、一人親方としてやっていくために重要といえるでしょう。

働く時間や日数を増やす

確実に日当を上げるためには、働く時間や日数を増やすことが大切になります。とてもシンプルな方法にはなるものの、収入を確保するうえで重要な考え方です。

独立前は会社の雇用のもと働くため、作業時間や勤務時間の契約のもと働きます。しかし、独立後はご自身でスケジュールを自由に決められる分、作業量を減らせば収入も減ってしまいます。

働く時間や日数を確保できるよう、日頃から新規案件の獲得に向けて動くなど、未来を見据えた行動とスケジュール管理が収入を大きく左右します。

資格を取得する

一人親方における日当は、職人がクライアントに提供できる価値と需要によって決まります。自身の価値に希少性を持たせるべく、資格を取得するという手段も日当を上げるポイントになるでしょう。

より難易度の高い資格を所有すれば、仕事の幅が広がるなど日当アップを期待できます。資格は技術や能力を証明できるものなので、クライアントにとっても作業を任せられるかどうかの判断材料のひとつになります。

安心して仕事を任せられると思ってもらえれば、継続して案件を獲得できるなど、長期的に見ても収入増加につながるでしょう。

サイトやSNSで集客する

サイトやSNSを活用して集客をすることで、日当を上げられることがあります。サイト・SNSにて技能をアピールすれば、営業を持ちかけなくても案件が獲得できるなど、守りの営業ができます。

このような直案件における日当は、クライアントで直接話し合って決めることが多いです。そのため、希望の日当を交渉できるなど、結果的に日当を上げることにつながるでしょう。ネットにおける集客は、独立前から始められます。

リピーターを獲得する

リピーターを獲得することで収入が安定し、全体的な収入を上げることが可能です。一つひとつの依頼を丁寧に対応することで信頼関係を築けば、繰り返し依頼をいただけることもあります。

また、リピーターが増えれば自分から営業する手間も省けるので、営業にかかる負担を仕事の作業にあてることもできるでしょう。

節税知識を身につける

独立後の収支では、自身で経費や税金の支払いを計算し、まかなう必要があります。そのため、節税対策を心がけることで、手取りを増やす工夫ができます。

一人親方ができる節税対策として、確定申告での対応があります。確定申告の際に控除できる項目を把握しておき、漏れがないよう正確に申告をすることが重要です。申告できる項目としては、生命保険や労災保険・経費など、漏らすことなく申告しましょう。

一人親方に必要なコスト

一人親方として事業を展開する場合、得た報酬で経費をやりくりする必要があります。手取りを確保するためには、事業に必要な経費を把握しておくことが重要です。

収入をしっかり確保するためにも、必要なコストを押さえておきましょう。次に、一人親方に必要なコストについて4つご紹介します。

顧客獲得費用

顧客獲得費用とは、営業時に発生する費用を指します。営業の方法としては、電話でのテレアポや飛び込み営業、サイト・SNSでの集客などが挙げられます。いずれに関しても、通信費や交通費が必要で費用の一部となります。

案件獲得後も、接待や打ち合わせなどで費用が発生する可能性があります。とはいえ、顧客獲得までに発生する費用のほうがかさむ傾向にあるため、独立直後は運転資金を準備しておきましょう。

金銭・顧客管理費用

会社で雇用されていたときは経理担当などが行っていた金銭管理ですが、一人親方の場合、自身で行う必要があります。

経費の区分は多岐にわたり、工具や材料、交通費など、多方面で費用が発生します。確定申告にて売上から経費を差し引いた所得を伝える必要があるため、金銭管理は重要といえます。

また、継続的な案件獲得のためには、顧客管理も必要でしょう。過去の対応内容や顧客情報をもとに営業するなど、取引先との関わりを大切にする手段として、顧客管理も徹底しましょう。

税理士費用

年間売上が1,000万円を超える場合、消費税の納税が発生するため、確定申告は税理士に依頼するほうがいいでしょう。

また、2023年10月1日からインボイス制度が始まります。インボイス制度によって、年間売上が1,000万円以下の場合でも消費税の納税対象になることもあります。

税金関連で不安がある場合は、税理士に相談することをおすすめします。税理士への依頼には料金が発生するので、費用の一部として押さえておく必要があります。

保険費用

一人親方が必要になる保険の費用は、おもに3つあります。社会保険と労災保険と民間保険です。

社会保険は、国民健康保険もしくは建設関係の国保組合のどちらかに加入します。どちらの方がよりメリットがあり、保険料が抑えられるかなどは市町村によって異なるので、調べたうえで決めるといいでしょう。

労災保険とは、仕事中や通勤途中に発生した事故に対して、国が保証を負担する保険のことであり、現場での作業が多い職種の場合とくに重視されます。加入義務はないものの、一人親方の場合は特別加入制度が利用できるので確認しておきましょう。

民間保険では、社会保険でカバーしきれない保証を求める場合に加入します。一人親方にとって、自身の安全や健康は資本のひとつです。安心して仕事ができる環境を作るための手段として、民間保険の加入を検討するといいでしょう。

まとめ

一人親方の日当相場は平均18,000〜20,000円であり、雇われ職人の日当相場16,000〜18,000円に比べて高い傾向です。収入アップを求めて一人親方になるという手段もあります。

建設業においては大工が職種別収入ランキングで第1位であるなど、選ぶ職種によって日当が変わります。一人親方になる場合は、職種を変える・資格を取り自身の希少価値を上げるなど、工夫することも重要です。

また、一人親方になると金銭管理や顧客管理など、必要な費用を把握してやりくりすることが求められます。一人親方は、自分の工夫や努力次第で日当を上げられる点が魅力的です。収入アップを検討中の方は、手段のひとつとして押さえておきましょう。

一人親方として働くうえで欠かせない、請求書の書き方をご存じでしょうか。こちらの記事では、人工代や金額の書き方について詳しく説明しています。

投稿者プロフィール

一人親方労災保険連合会 浅井淳平
一人親方労災保険連合会 浅井淳平代表理事
いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。
『建設業界を元気にしたい!』そんな思いで建設業に従事する方々が抱える問題点や悩み事に少しでもお役に立てれば幸いです。
【略歴】
・2011年 某外資系保険会社に入社
・2013年 労災保険特別加入団体の運営を開始
・2016年 大手生命保険会社100%出資代理店へ転身
・2024年 一人親方労災保険連合会【親方プラス】を設立 現在に至る
【趣味・特技】
キャンプ、つり、スキー、サッカー、ゴルフ…etc
 
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