ハウスクリーニングは一人親方労災保険に加入できる?
それではここで、厳密に職種の定義を説明します。
「ハウスクリーニング」は大きく分類すると「個人宅」「アパート・マンションなどの賃貸物件」「オフィス・店舗」の3つです。実際の業務内容は、エアコン内部クリーニング、トイレクリーニング、換気扇クリーニング、養生を張ってのフローリングや壁のワックス掛け等が一般的です。
参考 公益社団法人全国ハウスクリーニング協会
美装工事(竣工清掃工事)とは
美装工事とは、建設現場でのクリーニング工事です。ビル・商業施設・病院・家屋等の新築現場において、その過程で出たホコリや汚れを完全に取り除き、床面ワックス掛け等を行いお客様やオーナー様へ完成した建物を引き渡すための建物クリーニングの事です。
建設業の許可の業種でいうと清掃施設工事業あるいは、内装仕上工事業にあたります。
家洗工事とは
もともと、日本の建物は木造であったことから、木造建築物の汚れを取る専門職が生まれました。家洗工とか洗い屋と呼ばれる人たちです。
家洗工とは厳密には建物の木部の汚れを落とす業者です。珍しい職種ですが歴史は古く、神社、仏閣での祭事の際に「お清め」「厄払い」として始まったと言われています。
内装工事が仕上がって、照明器具その他器具の取付工事が完了した後に、薬品や灰の上澄み液を使って、木部に塗りこんで洗い艶出し作業を行います。
ハウスクリーニングの一人親方が労災保険に入りたいわけ
ハウスクリーニング、お掃除代行業者が一人親方労災保険に加入したい理由はなんでしょうか。
掃除にそれほど危険を伴う作業があるように思えません。これは、ハウスクリーニング業者に仕事を依頼する立場の会社に労災保険に加入するように言われるためです。主に、建設会社、マンション管理会社からの要望や指示のことが多いようです。
単純にお掃除をするだけでなく、建物の簡単な補修も業務に含まれることが多いからでしょう。建物清掃の他、手摺り、棚、床下収納、表札、ポストなどの補修やなかには簡単な電気工事、クロスの補修や貼り替えまで請け負うことが多いようです。ここまでやっていると建設雑工事に近い仕事内容です。
このような作業が、建設業の仕事と同様であれば、一人親方労災保険に加入しても法的に問題がないと思われます。
お掃除代行業者は中小企業事業主の特別加入へ
一方、一般の家庭からの依頼でお掃除(家事に近いこと)を代行している方は一人親方の労災保険に加入できません。建設業には該当しないからです。どうしても労災保険に加入したい方は中小企業事業主の労災保険に特別加入する必要があります。
そもそも、純粋なお掃除代行業者の方は労災保険に加入したいという需要はないような気がします。ほとんど作業に危険性ありませんしね。
一人親方であっても無理に労災保険に加入するとどうなるか?
労災事故が起きて、労災保険の請求をした場合、労働基準監督署に実際の仕事内容を聞かれ、建設業ではないと判断されると労災保険の給付がなされない場合があります。
特に依頼主が一般の家庭だと自分が元請ということになります。一人親方労災保険は、自分が元請の場合は、建前上、労災保険が使えないことになっているからです。制度の建前上、労働者性がないと労災保険の適用がなされないためです。
これは中小企業事業主しての特別加入をした場合でも同じです。
迷ったら親方プラスへ
ハウスクリーニングの方が一人親方労災に加入したい場合、労災保険特別加入団体によっては「ハウスクリーニング」という言葉だけで判断して加入を断ることがあるようです。
しかし、親方プラスでは、実際にご加入希望者がなさっている作業内容、元請がどんなところか詳細にお聞きして、事実上、行っている仕事内容、作業が建設業であって一人親方(個人事業主)と見做すことが出来ればご加入することが出来ます。
もし他の労災保険特別加入団体で断られても、親方プラスでは門前払いをしたりはしません。ご相談者様に、丁寧に作業内容をお伺いいたします。
一人親方労災保険 ハウスクリーニングのまとめ
ハウスクリーニング業者で一般家庭からの依頼でお掃除代行をしている方は、建設業の一人親方には該当しないため一人親方労災保険に加入することは出来ません。しかし、実際の業務が美装工事、家洗工の方はご加入することが出来ます。
また、建設会社、ビル管理会社、マンション管理会社の下請になっているハウスクリーニング業の方は、実際の作業内容に建設業に該当するものがある場合は、一人親方労災保険に加入できる場合があります。
作業の内容により判断が分かれますので、一人親方労災保険に加入したい場合は、労災保険特別加入団体によく業務内容を説明しましょう。
一人親方労災保険のご相談は⇒一人親方労災保険連合会【親方プラス】
投稿者プロフィール
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いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。
『建設業界を元気にしたい!』そんな思いで建設業に従事する方々が抱える問題点や悩み事に少しでもお役に立てれば幸いです。
【略歴】
・2011年 某外資系保険会社に入社
・2013年 労災保険特別加入団体の運営を開始
・2016年 大手生命保険会社100%出資代理店へ転身
・2024年 一人親方労災保険連合会【親方プラス】を設立 現在に至る
【趣味・特技】
キャンプ、つり、スキー、サッカー、ゴルフ…etc
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