一人親方は専従者給与を知ってうまく活用しよう!
一人親方にとって専従者給与は節約方法の1つ。専従者給与を使えば、場合によっては数十万円の税金を節約することが可能です。ただし専従者給与にはいくつか条件がありますので、今日は専従者給与とはなにか、そしてどんな条件があるのかについて解説します。
一人親方は専従者給与で税金を抑えることができる!
専従者とは確定申告を行う際において配偶者や親族のことです。
その奥さんや家族に出す給与、これが専従者給与です。
この専従者給与は非課税なんですね。
当たり前なんですが、給与は非課税です。
家族へのお金を渡すことは基本的に課税対象になるのですが、専従者給与という仕組みを使うことで非課税にできるんですね。
ただし専従者給与が非課税だからといって、大幅に専従者給与を与えてしまうと、それはそれで個人に税金がかかってしまします。
なぜなら個人の給与には所得税や住民税などがかかってくるからです。
大きな金額の給与を与えれば、法人税より税金がかかってきてしまうことにもなりますし、88000円を超えると源泉徴収する必要が出るので、税金面でメリットが少なくなってしまします。
つまり専従者給与というのは、法人税や一人親方自体の税金が高いため、非課税である奥さんに給与を渡し、その奥さんの税率と自分の税率の差で節税するということです。
例えば年収1000万円の一人親方がいた時、税率は高いのですが、年収100万円程度なら税率がかなり下がる。
その差額分の税金を納めなくていいということ。金額にして数十万円の節約メリットがあるんです。
専従者給与の条件
節税に便利な専従者給与ですが、適応するにはいくつかの条件があります。
青色申告
- 青色専従者給与に関する届出手続き
- 金額の上限はないけど、税金を抑える効果のある金額
- 専ら事業に従事していること
- 働いている実態があること
などが条件になります。
専従者給与は青色申告が必須
まず専従者給料は青色申告が必須です。
ここの青色事業専従者にも条件が定められていて要するに生計を共にする家族(血縁のある)であり、高校生未満の子供は先住者として認められません。
さらに一時的ではなく1年間のうち半年以上仕事に従事したと言う事実が必要です。
このような人のことを専従者と呼びます。
このほかにも専従者給与を支払うには、税務署に届け出を出していることや、届出に記載されている方法で給料が出されていること、そして記載されている給料未満支払われていることなどの条件があります。
もちろんですが業務を行っている実態がなければなりませんので、仕事に携わっていない配偶者や子供を専従者として給与を支払うことはできません。
そして1人親方が白色申告をしている場合は専従者給与を適応することはできません。
白色申告の場合は、専従者控除となります。
どういうことかというと、専従者給与は非課税ですが、専従者給与は控除です。
まぁ実際には同じなんですが、金額の上限が決められています。
配偶者の場合は860,000円。配偶者でなければ500,000円までと決められています。
どちらも1年間での数字です。
ですから金額面でも税制面でも白色申告ではデメリットが大きくなります。
したがってもし税金を抑えたいなら青色申告で専従者給与を支払うことをお勧めします。
※お役立ち記事→一人親方の確定申告の手続き方法と申告に必要な書類について詳しく解説!
青色専従者給与に関する届出手続き
そして専従者は前もって届出を行う必要があります。
家族なら誰でもいいというわけではなく、しっかりと届出を行い、誰に専従者給与を支払うのか、どのような方法で支払うのかを申請しないと認められません。
届出は税務署で行うので、青色申告の手続きかや開業手続きなどと同じタイミングで行うと楽でしょう。
※関連記事→【国税庁HP】青色事業専従者給与に関する届出手続き
税金を抑える効果のある金額にすること
専従者者給与には上限は定められていません。
まず月に88,000以上の給料を支払う場合、源泉徴収を行う必要があります。
これは個人事業主であっても関係ありません。
そして実態に伴った給与の金額しか払えないことになっています週に一度、午前中だけ働く人に月に100万円払うことができません。
100万円の給与を支払うべき実態がないからです。
ですから高額の給与を支払う場合は条件をクリアしないといけないことを覚えておいてください。
そして専従者給与の場合でも所得税がかかりますので、あまり高い金額にしてしまうと税金を抑える効果が薄れます。
あくまでも節約のためなのであれば、所得税が安い金額で納めておくことを勧めます。
専ら従事していること
人としてパートをしているけど専従者になれるのかと言う質問があると思います。
結論から言えば、専従者はパートをしても大丈夫です。
ただし条件があって、青色専従者給与は原則として、専ら事業に従事していることと、事前に届出をしている場合に限り、経費として認めるとされています。
ここで問題なのは専らという単語でしょう。
この解釈についても書いておきます。他に職業を有する者(その職業に従事する時間が短い者その他当該事業に専ら従事することが妨げられないと認められる者を除く。)
所得税法施行令第百六十五条このように法律の条文には書かれています。
要するに、従事者が職業に従事するにあたって妨げにならない程度であれば、働いていてもいいよってこと。
正社員は流石に無理でしょうし、契約社員も妨げになる。
しかし週に20時間以内のパートタイマーであれば、妨げにならないと言えます。
ですからパートであれば、専業従事者として給与を支払い、経費として計上できると言えるでしょう。
働いている実態があること
そして最後に実態があることが問われます。
専従者給与を聞いた時誰しもが思いつくのが主婦の奥さんに、給与を渡して節税すること。
しかし主婦の場合は専従者給与を支払うことはできません。
なぜなら働いている実態がないからです。
働いていない人に給与を支払うことはできないので、専従者給与も支払うことはできない。
ですから専従者として働いている実態が必要です。
一人親方は結局どうするのがベストなのか
一人親方は家族がいる場合は、専従者給与を利用すると数十万円の税金を抑えることができます。
もし税金を抑えないといけないほど利益が出ていたり、少しでも税金を抑えたいなら、専従者給与の制度を利用することをお勧めします。
投稿者プロフィール
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いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。
『建設業界を元気にしたい!』そんな思いで建設業に従事する方々が抱える問題点や悩み事に少しでもお役に立てれば幸いです。
【略歴】
・2011年 某外資系保険会社に入社
・2013年 労災保険特別加入団体の運営を開始
・2016年 大手生命保険会社100%出資代理店へ転身
・2024年 一人親方労災保険連合会【親方プラス】を設立 現在に至る
【趣味・特技】
キャンプ、つり、スキー、サッカー、ゴルフ…etc
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